HOME > 司法書士コラム > 財産管理 > 成年後見業務における銀行の本人確認

司法書士コラム

< 司法書士無料相談会のお知らせ  |  一覧へ戻る  |  年末です。 >

成年後見業務における銀行の本人確認

成年後見人に就任すると、その旨を銀行に届出をします。

銀行によっては通帳の名義を必ず「○○ 成年後見人 △△」というふうに変更されるところもあれば、被後見人そのままの名義になる場合もあります。
届出時の添付書類ですが、後見登記事項証明書、後見人に就任した人の運転免許証等の本人確認書類と場合によっては印鑑証明書が必要です。

届出自体は非常に簡単だと思っていたのですが、今回、後見制度支援信託制度を利用するケースで、信託契約を締結する際に本人(被後見人)の写真付きの本人確認書類(原本)の提示を求められました。
ところが、そのような書類はない状況でした。(運転免許証もないし、住民基本台帳カードも作成していない……。他には何もない。)

この度は銀行に説明して何とか手続をしてもらいましたが、そもそも成年後見人は本人の法定代理人なので、成年後見人の本人確認(登記事項証明書+運転免許証等)で十分だと思います。もっと利用しやすいように銀行業務が変わっていけばいいなと思いました。

カテゴリ:

< 司法書士無料相談会のお知らせ  |  一覧へ戻る  |  年末です。 >

同じカテゴリの記事

相続財産の承継業務

司法書士は司法書士法29条と同施行規則31条により、相続が開始した後の相続財産を相続人に帰属させる業務をすることができます。
先日、司法書士会の研修会でこの分野のものがあったので受講してきました。

これまでも相談の中で、同様なものはありましたが、司法書士は登記業務が中心という考えがどうしても抜けないので、預貯金の解約等のご依頼は積極的に受任していませんでした。
しかし、お客様からすると、そういった手続も含めて依頼したいというご希望はあります。
今後は積極的に受任していきたいと思います。

なお、相続財産の承継業務には例えば以下のものがあります。

・預貯金の解約
・保険金の解約・払戻し手続
・株式や証券類の払戻しや移管手続
遺産分割協議に基づく解約金等の相続人への分配
・不動産の処分、売却金の分配
・訴訟や税務申告を専門家に頼むこと
・これらの事務処理のための戸籍謄本等公的書類の収集や不動産の調査

これらは、基本的に全相続人から依頼を受け、相続財産を適切に相続できるために、司法書士が全相続人のために包括的に事務を執り行うものです。
よって、一部の相続人の代表として他の相続人と取得分について交渉するようなことはできません。
分割方法については、当事者間での話し合いが原則ですが、話し合いが困難な場合は家庭裁判所遺産分割調停・審判手続を利用することになります。

成年後見人就任時の事務

家庭裁判所から成年後見人に選任され、選任の審判が確定したら、そこから1か月以内に財産調査をして財産目録等を裁判所へ提出しなければなりません。

同時進行で役所への届出、銀行への届出、公共料金の取扱の検討、本人や協力者との面会や施設への訪問、不動産の調査、等々、やることがたくさんあり整理をしないと混乱します。
他の仕事もしながら1か月の期間ですべてのことを完了するのは大変です。

そこで、この度、事務処理を正確に行うために、事務所用の成年後見人就任時のチェックリストを作成しました。
大事な財産を適正に管理していかなければなりませんので、正確かつ迅速に就任時の事務を完了したいものです。

不在者財産管理人と管轄

遺産分割協議をする際、不在者(行方不明者)が相続人の中に存在する場合、その人を除外して手続を進めることができませんので、家庭裁判所不在者財産管理人の選任申立てをする必要があります。

ところが、その申立て先の裁判所は基本的に「不在者の居所地又は最後の住所地の家庭裁判所」となります。
例えば、申立てをする他の相続人が山口県内に居住していても、不在者の居所地又は最後の住所地(行方不明時の住所)が東京都内であれば、東京家庭裁判所に申立てをしなければならず、その後の審理も東京家庭裁判所で進みます。

このような場合は、裁判所が遠方になって大変不便ですので、事情によっては近くの裁判所(例えば山口家庭裁判所)に事件を移送してもらうことができます。
ただし、必ず移送決定がなされるわけではなく、手続が遅滞することを避けるため必要がある場合や、事件を処理するために特に必要があると認められる場合に限られます(家事事件手続法9条2項)。

移送の判断は裁判官次第ですので、上記の理由を具体的に説明し、移送に理由があることを認めてもらわなければなりません。
移送決定を得るためには、少々テクニックが必要ですので、相続の問題と絡めてお気軽にご相談いただければと思います。

成年後見人候補者

成年後見開始の申立てについての注意事項です。

成年後見開始の申立書には「後見人候補者」を記載する欄があります。
申立書類一式は家庭裁判所に行けばもらうことができますが、ご自身(被後見人以外の申立人)で記入をされる場合、通常、被後見人(本人)は親族であることが多く(例えば親など)、申立人自身が後見人になり、財産を管理していくことを想定されていることも多いと思われます。

そのような場合、当然に「後見人候補者」欄に自分自身を記入することになりますが、「後見人」を選任するのは家庭裁判所ですから、必ずしもご自身が後見人に就任することができるとは限りません。特に、一定以上の財産があるような場合や、親族間で紛争性があるような場合は、第三者(例えば弁護士や司法書士)が選任されることもあります。

一般に、弁護士や司法書士が選任された場合は、報酬付与の申立てにより報酬が発生します。報酬は被後見人(本人)の財産の中から支払われますが、当初から第三者が選任されること自体想定されておらず、報酬が付与されることを良く思われない方もおられます。

しかし、成年後見開始の申立てをした場合、第三者が選任されそうになったとしても、途中で取り下げることは家庭裁判所の許可無くしてすることはできません(家事事件手続法121条)。後見制度は公益的な側面もあり、いずれにしても本人の財産は誰かが管理しなければならないからです。

以上のことを正確に把握され、成年後見制度を利用する必要があると思います。
ただし、これらのことを理由に成年後見開始の申立てを躊躇することは、制度上は好ましくないでしょう。

このページのトップへ