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司法書士コラム 財産管理: 2013年10月アーカイブ

不在者財産管理人と管轄

遺産分割協議をする際、不在者(行方不明者)が相続人の中に存在する場合、その人を除外して手続を進めることができませんので、家庭裁判所不在者財産管理人の選任申立てをする必要があります。

ところが、その申立て先の裁判所は基本的に「不在者の居所地又は最後の住所地の家庭裁判所」となります。
例えば、申立てをする他の相続人が山口県内に居住していても、不在者の居所地又は最後の住所地(行方不明時の住所)が東京都内であれば、東京家庭裁判所に申立てをしなければならず、その後の審理も東京家庭裁判所で進みます。

このような場合は、裁判所が遠方になって大変不便ですので、事情によっては近くの裁判所(例えば山口家庭裁判所)に事件を移送してもらうことができます。
ただし、必ず移送決定がなされるわけではなく、手続が遅滞することを避けるため必要がある場合や、事件を処理するために特に必要があると認められる場合に限られます(家事事件手続法9条2項)。

移送の判断は裁判官次第ですので、上記の理由を具体的に説明し、移送に理由があることを認めてもらわなければなりません。
移送決定を得るためには、少々テクニックが必要ですので、相続の問題と絡めてお気軽にご相談いただければと思います。

成年後見人候補者

成年後見開始の申立てについての注意事項です。

成年後見開始の申立書には「後見人候補者」を記載する欄があります。
申立書類一式は家庭裁判所に行けばもらうことができますが、ご自身(被後見人以外の申立人)で記入をされる場合、通常、被後見人(本人)は親族であることが多く(例えば親など)、申立人自身が後見人になり、財産を管理していくことを想定されていることも多いと思われます。

そのような場合、当然に「後見人候補者」欄に自分自身を記入することになりますが、「後見人」を選任するのは家庭裁判所ですから、必ずしもご自身が後見人に就任することができるとは限りません。特に、一定以上の財産があるような場合や、親族間で紛争性があるような場合は、第三者(例えば弁護士や司法書士)が選任されることもあります。

一般に、弁護士や司法書士が選任された場合は、報酬付与の申立てにより報酬が発生します。報酬は被後見人(本人)の財産の中から支払われますが、当初から第三者が選任されること自体想定されておらず、報酬が付与されることを良く思われない方もおられます。

しかし、成年後見開始の申立てをした場合、第三者が選任されそうになったとしても、途中で取り下げることは家庭裁判所の許可無くしてすることはできません(家事事件手続法121条)。後見制度は公益的な側面もあり、いずれにしても本人の財産は誰かが管理しなければならないからです。

以上のことを正確に把握され、成年後見制度を利用する必要があると思います。
ただし、これらのことを理由に成年後見開始の申立てを躊躇することは、制度上は好ましくないでしょう。

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