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相続

相続の基礎知識

遺言とは

遺言とは死後の一定の法律関係を生前に自己の意思により定めることです。
つまり、生きているうちに死後の財産処分の内容などの法律関係を決めておくことができるという制度です。
遺言がなければ、民法が定める法定相続分のとおりに遺産が分割されます。遺言がある場合はその遺言が生前の最終意思として尊重され、その限りでは法定相続は補充的な規定といえるでしょう。
遺言は自筆証書、公正証書、秘密証書などの種類があります。(細かく分類するともっと多くの種類があります。

民法第967条 遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。

日本では平成19年の統計で公正証書遺言の作成件数が74,324件です。高齢化社会の到来、相続や遺言に関する記事や報道、相談会や講演会、インターネットからの情報収集などにより、遺言を残される方は年々増えていますが、諸外国と比べると極めて少ない件数に留まっています。


相続人の範囲と法定相続分・遺留分

相続人 法定相続分 遺留分
1.配偶者と子 配偶者 1/2 1/4
子(または孫) 1/2 1/4
2.配偶者と父母 配偶者 2/3 1/3
父母(または祖父母) 1/3 1/6
3.配偶者と兄弟姉妹 配偶者 3/4 1/2
兄弟姉妹(または甥姪) 1/4 なし
配偶者のみ 全部 1/2
子(または孫)のみ 全部 1/2
父母(または祖父母)のみ 全部 1/3
兄弟姉妹(または甥姪)のみ 全部 なし
【相続人の順位】

第一順位:配偶者と子
第二順位:配偶者と父母
第三順位:配偶者と兄弟姉妹
(先順位の相続人がいる場合、次順位の人は相続人とはなりません)

【代襲相続】

被相続人の死亡以前(または同時)に、相続人となるべき子・兄弟姉妹が死亡しているときは、その子(子が死亡しているときは孫)が代わって相続することになります。
ただし、兄弟姉妹の場合、代襲相続が起こるのはその子までであり、孫には適用がありません。


相続の手続の種類

被相続人の死亡により、相続が発生しますが、被相続人名義の財産につき、以下のような手続が必要となります。

1.現金 現金は、相続人間で直ちに分割できますが、相続人が複数の場合は前提として遺産分割協議が必要となります。
2.預貯金 金融機関に対して名義書換や解約等の手続が必要となります。
3.株券や債権 証券会社に預託しているケースが多いので、証券会社に対して名義書換等の手続が必要となります。
4.生命保険・簡保 保険の指定受取人の指定によって、承継の方法が異なりますので、まずは保険証券を探してから手続をすることになります。
5.年金・共済金等 役所に届出が必要となる場合があります。また、勤務先に死亡退職金等の手続が必要となることもあります。
6.不動産 相続を原因とする所有権移転登記(相続登記)手続を管轄法務局でする必要があります。

上記は手続の一例ですが、遺言があった場合はその遺言の定める方法により処理を進める必要が生じます。
また、負債が多い場合の相続放棄被相続人の死亡の事実を知ってから原則として3か月以内)、遺産の分割において相続人間で協議が整わない場合の遺産分割調停(家庭裁判所)等の手続を経る場合もありますので、ご不明な点はお早めにご相談されることをお勧めします。

注意すべきこと
1.遺言書(自筆証書遺言)がある場合

この場合、家庭裁判所で遺言書の検認手続をしなければなりません。(公正証書ではこの手続は不要)
なお、家庭裁判所で検認手続を経るまでは遺言書を開封してはいけません。
また、遺言書で「遺言執行者」が定められていない場合は、一定の場合に遺言執行者の選任申立を家庭裁判所でしなければなりません。(遺言執行者にしかすることができない事務があります。) 遺言執行者が定められると、以後の預貯金の解約等の事務は遺言執行者が代表して行うことになります。
手続の煩雑さ等の事情で遺言執行者に就任する方が相続人間におられない場合は、当事務所の司法書士が就任することもできますので、お気軽にご相談ください。(なお、遺言書作成段階で遺言執行者を定めておくことも可能ですので、この場合もお気軽にご相談ください。)

Q.遺言書が存在するが、遺言書の内容と異なる遺産分割協議は許されますか?
A.遺言書があっても、遺言執行者がいない場合には、相続人全員(遺贈があれば受遺者も含む)の同意があれば、遺言と異なる遺産分割または遺産分割調停は可能と考えられています。ご不明な点はお早めにご相談ください。

2.負債が多く、相続放棄をする場合

相続放棄をする前に、被相続人の財産を取得した場合、相続を承認したことになりますので相続放棄をすることはできなくなります。
相続放棄をお考えの場合は、財産について何らかの手続をする前にご相談ください。(過去のご相談例では、債務を一部支払った後に相続放棄をしたいというご相談がありましたが、債務の一部弁済も相続の承認にあたる可能性があるため、相続放棄ができなくなったケースもあります。要注意です。)

3.自己判断をされる危険性

司法書士等の専門家に相談すると相談料がかかるので、ご自身で判断されて手続をされる方も多数おられますが、上記の相続放棄の事例のように、一歩間違えれば借金を背負わなくならなくなったりすることもあり、大変危険です。
私はこれまで相続のご相談で、すでに上記のように手遅れになってからのご相談を数多く承ってきました。
我々も法律で決められた以上のお手伝いをすることはできませんので、残念なことになる前に必ずご相談をお願いいたします。少しでもお役に立てるようアドバイスをさせていただきたいと思います。 数千円の相談料を節約したことにより、多額の借金を背負ってしまったり、相続人間の紛争に必要以上に巻き込まれることは、司法書士としても残念というほかありません。


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