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生前にできること

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、その名のとおり、「自分で書いた遺言」です。
簡単に作ることができるという利点がありますが、その反面、大きな落とし穴もあるので注意が必要です。

よくある問題点

1. 遺言の内容が不明確で、書いてあることがよく理解できない
2. 自筆証書遺言の形式を法律上満たしていないので、遺言自体が無効
3. 遺言執行者の指定がされていない
4. 検認手続きが必要

問題点について
1.に関して

せっかく作った遺言でも、その内容が不明確であれば、生前の自分の意思が正確に反映されない可能性があります。

例)私の所有する不動産を子に与える。 どの不動産を、どの子供に与えるのか不明確。
例)私の所有する下記の不動産は長男○○の長女(孫)である○○に相続させる。 相続させるとなっているが、登記上は「遺贈」となる。遺言執行者が指定されていない場合は、遺言執行者を選任するか、または共同相続人全員が協力しないと登記手続きができない。さらに贈与税の問題も発生する。
例)私の所有する下記の不動産は長男○○に相続させる。(とだけ書かれている) 仮に長男が先に死亡した場合、それを補充する条項がないと、その長男の子供には直接に相続はされない。
2.に関して

自筆証書遺言の形式は法律で定められています。これに反する遺言は無効とされます。

民法第968条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

無効とされる例)

  • 遺言がワープロにより印刷されている。
  • 日付はあるが、平成○年○月吉日となっている。
  • 押印がされていない。
  • 1通の遺言書に夫婦が共同で遺言をしている。
  • 加筆・訂正がされているが、その部分に署名押印がない。(その部分に押印するだけでなく、必ず署名も必要です)
3.に関して

遺言執行者とは、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする人です。(民法第1012条)
遺言執行者の指定は必須ではありませんが、遺言執行者のみが執行可能な法律行為(1.認知、2.推定相続人の排除・取消)があり、この場合に遺言執行者を指定していないと、家庭裁判所の選任手続きを経ることになります。
この手続きは時間と費用がかかるので、相続人の負担を増大させることになります。

4.に関して

自筆証書遺言の場合、家庭裁判所の検認手続きを経ないと登記申請など、一定の手続きができません。
また、民法第1004条で検認はしなければならないと規定されており、遺言書の存在を知っているにもかかわらず長期間検認申立をしなければ遺言書の隠匿にも当たり、これが相続欠格事由に該当する可能性もあるので、注意を要します。

様々な問題点はあるものの、誰にも知られないところで簡単に作成できる、費用がかからない、等の利点もありますので、御一考されてはいかがでしょうか。


公正証書遺言作成サポート

公正証書遺言とは、公証役場において、証人2人以上の立会いの下で作成する遺言です。法的な立場の公証人が関与し、さらに証人2人以上が立会うので、形式上は法律の要求する要件を満たし、さらに原本は公証役場に保管されますので、遺言をする人にとっては自筆証書遺言よりも安心感は大きいでしょう。
当事務所では、争いが起こることを少しでも回避できるように、公正証書での遺言作成をお勧めしています。

なお、公証役場まで出向くのが困難な方については、別途費用が必要になりますが、公証人が直接ご自宅や入所施設にお伺いもされます。

公正証書遺言の証人は当事務所(司法書士と事務職員の計2人)がなることもできますので、お気軽にご相談下さい。

公正証書遺言作成のための必要書類
  • 遺言者本人の印鑑証明書
  • 遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本
  • 財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票
  • 遺産に不動産が含まれる場合には、登記事項証明書及び固定資産の評価証明など
  • 遺産に動産が含まれる場合には、それらの内容を記したものなど
  • 証人の住所・氏名・生年月日・職業を記したもの
  • 証人の認印

以上のようなものが必要になります。公証役場によってはこれ以外に必要なものがあれば要求されるかもしれません。

作成費用

目的の価額に応じて、以下の公証人手数料がかかります。

目的の価額 手数料
100万円以下 5,000円
100万円を超え200万円以下 7,000円
200万円を超え500万円以下 11,000円
500万円を超え1,000万円以下 17,000円
1,000万円を超え3,000万円以下 23,000円
3,000万円を超え5,000万円以下 29,000円
5,000万円を超え1億円以下 43,000円
1億円を超え3億円以下 4万3,000円 + 5,000万円までごとに1万3,000円を加算
3億円を超え10億円以下 9万5,000円 + 5,000万円までごとに1万1,000円を加算
10億円を超える場合 24万9,000円 + 5,000万円までごとに8,000円を加算

(日本公証人連合会のホームページより)
(司法書士が公正証書遺言作成の事務手続(文案の相談や公証役場との調整)をする場合は、別途司法書士報酬が必要になります。)


遺言執行者の指定

公正証書遺言では、通常、遺言執行者の指定をします。

遺言執行者とは、相続開始により遺言の内容を実現するために手続をする人のことです。(預金の解約等の各種手続や遺言の内容に従った財産を各相続人に分配します。)遺言執行者以外の各相続人は、遺言執行者の手続を経ずに遺産を勝手に分配することができません。

遺言執行者は、相続人の中の1人が就任しても構いませんが、遺産の承継手続が多岐にわたり、また安全に財産を承継されたいというご希望がある場合は、当事務所(司法書士)を遺言執行者に指定することもできます。この場合は、相続開始後に遺言執行者に就任した司法書士が責任をもって遺言の内容に従い、遺産を分配します。

司法書士に依頼する最大のメリットは、相続人の手続の手間を省くことです。相続開始後は、預貯金の名義変更、株式の名義書換、不動産登記名義の変更等、多くの事務処理をしなければなりません。これらを専門家である司法書士が手続をすることにより、相続人の負担を軽減し、より安全に財産を承継することができます。また、遺言執行者は公正中立の立場で事務処理をしますので、その点からもすべての相続人にとって安心できるものであると言えます。
遺言執行者は、法律に沿った事務処理をしていかなければなりませんので(財産目録の作成・各相続人への提示、遺産の分配、認知の届出、相続人排除等)、可能性であれば司法書士等の専門家を指定されることをお勧めします。

遺言を作成される場合、生前に想定していたような手続が確実に実現されるため、遺言執行者のことまで含めて考えておく必要があります。(逆にここまで考えている人は少ないですが、争いを避けるためには必須です。)

司法書士が遺言執行者に就任した場合は、別途報酬が発生しますが、報酬については当サイトの報酬規定をご覧になるか、個別にお問い合わせください。


生前贈与

相続問題は、死後に発生するものですが、争いを回避するために、生前に財産を贈与することもできます。

非課税枠の利用(相続時精算課税制度)
65歳以上の親から、その推定相続人である20歳以上の子に対する贈与は、所定の申告をすることにより、2,500万円までの財産の贈与につき、贈与税が非課税となります。
なお、2,500万円に達するまでは何度でもこの制度を利用することができます。
ただし、相続時精算課税制度を利用して取得した贈与財産については、その贈与時の価額が相続開始時の相続税額を算出する場合の財産の価額に加えられ、相続税の計算がなされることになります。

生前贈与のメリット
  • 自分の死後、相続人間での争いを避ける(最小限に食い止める)ことができる。
  • 非課税枠を利用すれば、贈与税がかからず、さらに相続税の基礎控除額以下の財産であれば、相続税の対象にもならない。

生前贈与は、事案により様々なご提案ができると思われます。まずは、お気軽にご相談ください。
 

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